Lyria 3.5とは|GeminiアプリでBGMを作る方法と商用利用の注意点

Lyria 3.5 とは 画像・動画・音声

動画を作っていて、いちばん最後に困るのが音楽です。

映像は自分で作れる。ナレーションも作れる。ところがBGMだけは、フリー素材を探すか、使用条件を読み込むか、有料のライブラリを契約するかになる。ここで毎回止まります。

Googleが9月4日に、Geminiアプリで音楽を作れる「Lyria 3.5」を公開。全世界のユーザーが、Webでもモバイルでもすぐ使えるという発表です。動画を作る側から見て何が変わるのかを、公式発表から整理します。

何ができるのか

テキストから曲を作ります。ジャンルを選ぶか、言葉で説明するかで指定できます。

  • ボーカル入りか、インストゥルメンタルかを選べる
  • 短い曲と長い曲を選べる
  • テンプレートが用意されている

公式が用途として挙げているのが、動画のバッキングトラック、ブランドのジングル、着信音の3つでした。1つ目が動画制作の用途です。

3.5で何が良くなったか

前バージョンからの改善点として、公式は3つ挙げています。

項目 公式の説明
音楽性 より豊かで複雑な旋律構造。自然に聞こえるように
歌詞 プロンプトへの追従と、構造の把握が向上
ボーカル 表現と感情がより自然に。発音も改善

どれも「良くなった」という定性的な書き方で、数値のベンチマークは示されていませんでした。音楽の良し悪しを数字にしにくいのは分かりますが、比較しようがないのも事実です。実際に鳴らして判断するしかありません。

どこで使えるか

入口が6つあります。

入口 向いている人
Gemini アプリ(Web・モバイル) とりあえず試したい人
Gemini API 自分の仕組みに組み込みたい人
Google AI Studio 開発者・技術寄りの人
Google Flow Music アーティスト、AIクリエイター
Google Vids 資料や社内動画を作る人
YouTube Shorts(Dream Track) ショート動画にBGMを付けたい人

Geminiアプリは全世界で使えると明記されています。 日本から触れないという話は出ていません。

書かれていないことのほうが気になる

正直に言うと、この発表は制作者がいちばん知りたいことに触れていません。作った曲を商用利用できるのか、無料枠はあるのか、曲の長さの上限はどこか。ここまでは書かれていませんでした。

追記(2026年9月9日)。この3つのうち2つは、Google DeepMindのLyriaモデルページとGemini APIのドキュメントに答えがある。

まずSynthID。「生成した音声にはすべてSynthIDの電子透かしが入る」とモデルページに明記されている。人の耳には分からない透かしで、AIで作られたかどうかを後から判定できる仕組みです。ここは推測ではなく、確認が取れている。

曲の長さも輪郭がはっきりしてきた。フル尺のLyria 3.5は最長3分。もう一つのモデルであるLyria 3 Clipは30秒固定で、長さを選ぶ余地はありません。発表にあった「短い/長い」という書き方は、この2モデルの違いを指していたようです。

料金はGeminiアプリの中では見つかりませんが、開発者向けのGemini API価格表には出ているとのこと。Lyria 3.5のフル尺が1曲0.08ドル、Lyria 3 Clipの30秒が1曲0.04ドルです。ただしこれはAPI経由の値段で、Geminiアプリで無料で使える範囲がどこまでかは、この価格表には書かれていません。動画に組み込む前提でAPIを叩くなら、この単価で計算することになります。

商用利用の可否だけは、結局どこにも書かれていませんでした。YouTubeやInstagramに上げる動画のBGMに使うなら、ここが最初に確認すべき点です。分からないまま量産すると、あとで全部差し替えになりかねません。

動画を作る側の受け止め

音楽がツールの中で完結するのは、工程としては素直に楽です。映像・音声・音楽が別々のサービスに散っていると、それぞれの規約を読み、それぞれに課金し、それぞれの出力形式に合わせることになります。

ただ、「使えるようになった」と「使っていい」は別です。商用利用の条件がはっきりするまでは、公開する動画には慎重になったほうがいいと思っています。

試すぶんには何のリスクもないので、まずGeminiアプリで1曲鳴らしてみるのが早いはずです。良し悪しは聴けば分かります。

出典

発表内容は2026年9月7日、SynthIDと曲の長さ・API料金の追記部分は2026年9月9日に確認しました。機能と提供範囲はGoogle公式の発表から取っています。Geminiアプリ内での商用利用の可否と無料枠の範囲は、どのページにも記載がなく確認できていません。

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