FLUX 3 Imageの料金と使い方|1枚7.6円、四角で囲んで部分編集

FLUX 3 Image 画像・動画・音声

画像生成のプロンプトの最後に「no text, no people」と書くのが、すっかり癖になっています。文字が崩れて出るのを避けるためです。

Black Forest Labs(BFL)が2026年10月1日(米国時間)に公開した「FLUX 3 Image」のドキュメントを読んでいて、その癖を名指しで否定されました。このモデルには、打ち消しの指示を入れる欄がそもそも無い。「no text」と書く代わりに「clean surfaces(何も書かれていない面)」と書け、とある。

料金と、何ができて何ができないのかを、公式の料金表とAPIの仕様書から整理しておきます。

FLUX 3 Imageとは

ドイツの画像生成AI企業BFLの、画像の生成と編集を1つにまとめたモデルです。前の世代のFLUX.2では用途別に5種類ほどのモデルを選ぶ形でしたが、FLUX 3 Imageは窓口が1つ。文章から画像を作るのも、手元の画像を直すのも、同じAPIに投げます。

FLUX 3という名前自体は7月に発表済みで、動画、ロボット制御と順に出てきて、画像は最後でした。

FLUX 3シリーズは動画とロボット制御が先に出て、画像は10月1日に最後に加わった
FLUX 3シリーズは動画とロボット制御が先に出て、画像は10月1日に最後に加わった

公式に書かれている主な仕様は次のとおり。

項目 内容
参照画像 1回に最大10枚
縦横比 21:9から9:21まで15種類+auto
解像度 768sq・1k(標準)・1.5k・2k・4k
打ち消し指示(negative prompt) なし
ウェブ検索での裏付け(grounding) 初期設定でオン
安全フィルタの強さ 0〜4の5段階(初期値2)
FLUX 3 Imageの主な仕様(BFLのAPIリファレンスより・2026年10月3日確認)

FLUX 3 Imageの料金は1枚いくらか

1枚ごとの課金で、解像度で値段が決まります。標準の1kで0.048ドル。2026年10月2日のECB参照レート(1ドル157.67円)で約7.6円です。

4kだけ極端に高い。1kの12倍以上になる
4kだけ極端に高い。1kの12倍以上になる

目を引くのは4kの0.607ドル、約96円でしょう。画素数は2kの4倍なのに、値段は6倍。ドキュメントには4kは「生成に数分かかることがある」とも書かれています。下書きは768sqか1kで回して、構図が決まってから上げる、という使い方を公式も勧めていました。

ただ、解像度を変えると別の画像として作り直しになる、とも書いてある。768sqで気に入った構図が、2kにした途端に変わることがあるわけです。ここは試してみないと、どの程度ずれるのか分かりません。

半額は日本時間10月9日0時まで

発売記念で、10月1日から8日まで(日本時間では10月2日0時から9日0時まで)全解像度が半額になっています。1kなら0.024ドル、約3.8円。料金ページに埋め込まれた価格データに、この期間がはっきり書かれていました。

1.5kの単価は、ドキュメントの料金表には載っていません。料金ページのほうには0.07ドルとあったので、図はそちらの数字を使っています。

前の世代と比べると

モデル 1枚あたり
FLUX 3 Image(1k) 0.048ドル
FLUX.2 [pro] 0.03ドルから(編集は0.045ドルから)
FLUX.2 [max] 0.07ドルから
FLUX.2 [klein] 4B 0.014ドルから
BFL公式の料金表より。FLUX.2は画素数で値段が変わるため「から」表記

FLUX.2 [pro]より少し高く、[max]よりは安い。真ん中あたりの値付けです。とにかく大量に安く作りたいなら、今もFLUX.2 [klein]のほうが3分の1以下で済む。

OpenAIの画像モデルはトークン単位の課金なので、1枚あたりで素直に比べられません。ChatGPT Images 2.5の料金を書いたときも、結局は設定しだいという結論になりました。料金表の読み方そのものはAIのAPI料金表の読み方にまとめています。

四角で囲んだところだけ直せる

料金より面白かったのが、編集のやり方でした。

画像の上に四角(バウンディングボックス)を置いて、「この四角の中身をこう変える」「この四角はそのまま残す」と1行ずつ指定できます。座標は縦横とも0〜1000の目盛り。画像の縦横比がどうであれ、同じ目盛りで書く決まりです。

公式の例では、サーファーのウェットスーツとサーフボードだけを赤に変え、波と空は「固定」にしていました。四角を動かせば、写っている物の位置を移すこともできる。

同じ画像を何度も直していくと、関係ないところまで少しずつ崩れていく。画像編集AIを使ったことがある人なら、たぶん一度は経験している問題です。BFLはこれを正面から解きにきた、と読めます。ドキュメントにも「四角の外の画素はたいてい変わらない」とありました。

「たいてい」と書いてあるのは正直だと思います。影や反射、近くの照明は変わることがある、とも明記されていた。小さすぎる四角も失敗しやすく、40×25ピクセル程度の枠に新しい物を入れようとすると、出てこないことが多かったそうです。

四角を描かずに「真ん中の鳥を1羽だけピンクにして」と文章で頼むこともできます。その場合はモデルが自分で対象を探して四角を付け、どう解釈したかを結果と一緒に返してくる。思ったのと違う鳥が変わったときに、原因を追えるのはありがたい。

「no text」が使えない、ということ

冒頭の話に戻ります。

FLUX 3 Imageには打ち消しの指示を書く欄が無く、プロンプトを自動で膨らませる機能のオン・オフも無い。そのかわりドキュメントに置き換えの一覧が載っていました。

書きがちな指示 代わりに書く言葉
no people empty, deserted, solitary
no text clean surfaces, unmarked, blank
not dark brightly lit, sun-drenched
no background clutter plain studio backdrop in one color
BFLのプロンプトガイド「Working without negative prompts」から抜粋

「人がいない」ではなく「がらんとした」。言われてみればそのとおりで、「〜がない」と書くと、その単語自体がかえって絵に入り込むことがある。プロンプトで結果が変わるのはどこかで書いた話とも重なります。

他のモデル向けに書きためたプロンプトをそのまま流用すると、FLUX 3 Imageでは効かない部分が出る。乗り換えるなら、ここは書き直しが必要でしょう。

ウェブ検索が初期設定でオンになっている

見落としやすい設定がもう1つあります。

groundingという項目が初期値で有効になっていて、プロンプトの内容をウェブ検索と画像検索で裏付けてから描く。実在の建物や今年のポスターを正しく描くための機能です。公式の例は「今年のオクトーバーフェストの公式ポスター」でした。

便利な反面、実在のデザインや商標に寄っていく方向の機能でもある。AI画像の商用利用で書いたように、仕事で使う画像に実在のロゴや作品が紛れ込むと面倒です。オフにすれば速くなり、プロンプトだけで描くようになる。業務で使うなら、自分はまずオフで試すと思います。検索をオンにしたときに追加料金がかかるかどうかは、料金表には書かれていませんでした。

THE DECODERは10月2日の記事で、重みを公開する版が「数週間以内」に出る見込みだと伝えています。BFLの製品ページにあるのは商用の重みについての問い合わせ窓口だけで、公開の時期は公式には確かめられなかった。重みが出れば手元で動かせるようになりますが、ライセンスの条件はオープンウェイトとオープンソースの違いで書いたように、出てから読むしかありません。

画像生成の仕組みそのものに興味がある人は拡散モデルとはから。写真の補正に使う話はAIで写真を編集するに書いています。

自分のプロンプトから「no」を抜く作業は、思ったより面倒そうです。何がないかを書くのは簡単でも、代わりに何があるかを決めるのは、絵の中身を決めることだから。

出典

すべて2026年10月3日に確認したものです。円換算はECBが公表する2026年10月2日の参照レート(1ドル157.67円)で計算しました。

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