LFM2.5-24B-A2Bとは|手元のPCで動くエージェント向けモデル

LFM2.5-24B-A2Bとは|手元のPCで動くエージェント向けモデル AIニュース

AIエージェントに仕事を任せると、メールの下書きや社内の資料がいったん外のサーバーへ送られます。それが気になって、手元のパソコンだけで動くモデルを探している人は少なくないはず。2026年10月13日にLiquid AIが出したLFM2.5-24B-A2Bは、そこを正面から狙ったモデルでした。

公開先はHugging Face。重みはだれでもダウンロードできます。

LFM2.5-24B-A2Bとは

名前のとおり、全体は240億(24B)パラメータで、1トークンを作るたびに実際に動くのは20億(2B)だけ。専門家と呼ばれる小さな部品を64個持ち、そのうち4個を毎回選んで使う「混合エキスパート(MoE)」という作りです。

項目 内容
公開日 2026年10月13日
開発 Liquid AI
大きさ 全体240億・動くのは20億パラメータ(40層、64エキスパートから4つ)
扱える長さ 13万1,072トークン(前の版は3万2,000)
対応言語 日本語を含む16言語
入出力 文章のみ。必ず考えてから答える
動かし方 llama.cpp、MLX、vLLM、SGLang、ONNX
ライセンス LFM Open License v1.0(年商1,000万ドルまで商用可)
Liquid AIの発表とモデルカードをもとに整理(2026年10月14日確認)

前の版LFM2-24B-A2Bからの変化は、学習データ量が約17兆から約33兆トークンへほぼ倍、語彙が6万5,000から12万8,000へ倍。語彙を増やしたのは、英語以外の文字を効率よく扱うためだと説明されていました。日本語の文章が同じ長さでも少ないトークンで済むなら、そのぶん速く、長く読める。

どれくらい速いのか

公式の数字では、AppleのM5 Maxで毎秒184トークン、AMDのRyzen AI Max+ 395で毎秒114トークン。比べたほかのMoEモデルより最大1.7倍速く、使うメモリもいちばん少ない、とのことです。

必要なメモリの量は、発表にもモデルカードにも数字がありませんでした。自分で計算すると、240億パラメータを4ビットに量子化すれば重みだけで約12GB。会話の記憶ぶんを足すと、16GBのMacではかなり窮屈で、32GB以上がひとつの目安になりそうです。あくまで概算なので、実際に動かすときは各形式のファイルサイズを見てください。

速さの理由はMoEにあります。毎回動くのが20億だけなので、計算量は20億クラスの小型モデルに近い。ただし240億ぶんの重みはすべてメモリに載せておく必要がある。速いけれど軽くはない、という性格です。

得意なのは道具を使う仕事

Liquid AIが並べたベンチマークから、性格がよく出ているものを抜き出しました。比べている相手はどれも、このモデルより大きいものばかりです。

評価 何を測るか LFM2.5-24B-A2B Qwen3.6-35B-A3B Gemma-4-26B-A4B-it
AutomationBench 業務ツールをまたぐ作業 27.69 8.72 5.46
ToolSandbox 道具の呼び出し 80.71 75.02 72.09
IFBench 指示に従う力 74.69 64.21 47.44
GPQA Diamond 専門知識 74.42 83.69 74.90
SWE-Bench Verified コードの修正 51.00 66.20 25.80
Liquid AIの発表(2026年10月13日)より一部を抜粋。vLLMで各評価の推奨設定を使った値

AutomationBenchは差が3倍以上あります。メール、予定表、表計算のような道具を順番に使って作業をやり切る評価で、AIエージェントとして働かせるならいちばん気になる数字かもしれません。指示に従う系の3つの評価でも、比べたモデルの中で1位でした。

反対に、専門知識とコードでは大きいモデルに負けている。Liquid AI自身も、知識が要る仕事を単体でやらせるのは勧めない、検索や社内文書の参照と組み合わせてほしい、と書いています。自分で負けている表をそのまま載せているのは好感が持てました。

エージェントの中で鍛えたモデル

学習の最後の段階では、OpenClaw、Hermes Agent、Pi、OpenCodeといった実際のエージェントの枠組みの中で強化学習をしたそうです。ベンチマーク用の問題集ではなく、本番に近い環境で道具の使い方を覚えさせた、ということでしょう。

OpenAI互換の形で動かせるので、手元のエージェントの接続先を書き換えるだけで試せます。発表にはHermes Agentの設定例も載っていて、クラウドのAPIを一度も呼ばずに完結する、と強調していました。

料金とライセンスの注意点

手元で動かすなら無料。Liquid AIのクラウド(Liquid Console)からAPIで使う場合の料金も出ています。

100万トークンあたり ドル 円換算
入力 0.10ドル 約16円
キャッシュ済み入力 0.05ドル 約8円
出力 1.00ドル 約158円
Liquid AIの発表より。1ドル158.12円で換算。新規登録で2ドル分のクレジットがつく

気をつけたいのはライセンスのほう。研究や非営利団体なら制限はありませんが、会社で商用に使えるのは年商が1,000万ドル(約15億8,000万円)を超えるまで。超えたら、Liquid AIから別のライセンスを買う必要があります。

「オープンウェイト」と聞くと何にでも使えそうに思えますが、ここは中堅以上の会社だと引っかかる条件です。商用利用に制限のないNVIDIAのKumo Tabularや、AstaBrief 8Bとは事情が違う。導入を考えるなら、法務に一度ライセンスの原文を見てもらったほうがいいと思います。

日本語の出来については、16言語に入っていることは確認できたものの、日本語だけの評価の数字は見当たりませんでした。ここは実際に触ってみるまで何とも言えない部分です。

出典

すべて2026年10月14日に確認したものです。

為替は欧州中央銀行の参照レート(Frankfurter経由、2026年10月13日)の1ドル158.12円を使いました。

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