Holo4とは|画面を操作するAIの性能と商用ライセンスの違い

Holo4とは AIニュース

パソコンの画面を見て、マウスとキーボードを動かすAI。いわゆる「コンピューター操作」のモデルは、これまでOpenAIやAnthropicのような大手がAPIで貸し出すものがほとんどでした。手元のマシンで動かせるものは、性能で大きく見劣りしていた。

H Companyが2026年9月28日に公開した「Holo4」は、その差をかなり詰めてきたモデルです。重みはHugging Faceで誰でも落とせる。ただ、モデルカードを読んでいくと、仕事で使う前に必ず確かめるべき点が一つありました。ライセンスが、モデルごとに違うのです。

Holo4とは

画面のスクリーンショットを見て、クリック・入力・コードの実行・ツール呼び出しを指示するモデルです。ウェブ、デスクトップ、スマートフォンの画面を対象にしています。H Companyが公開している実行用の仕組み(hai-agents)と組み合わせて使う想定。

公開されたのは3種類です。

モデル 元になったモデル ライセンス
Holo4-27B Qwen3.8-27B(密なモデル) CC BY-NC 4.0(非商用)
Holo4-35B-A3B Qwen3.6-35B-A3B(MoE) Apache 2.0
Holotron4-30B-A3B NVIDIA Nemotron 3 Nano Omni NVIDIA Open Model Agreement
Holo4シリーズの3モデル(Hugging Faceの各モデルカードより・2026年9月30日確認)

Holo4-27Bは、一度に扱える文脈が26万2,144トークン。重みはBF16のほか、FP8、NVFP4、4ビットのGGUFでも配られていて、手元のGPUに合わせて選べます。

どれくらいの性能か

コンピューター操作の性能を測るOSWorldで、Holo4-27Bは85.2%。1タスクあたりの費用は0.08ドルとされています。

より難しい新版のOSWorld 2.0では数字が下がります。H Companyがブログで比べていた相手はClaude Opus 5.5でした。

OSWorld 2.0での正答率。Holo4-27BはOpus 5.5に20ポイントほど届かない
OSWorld 2.0での正答率。Holo4-27BはOpus 5.5に20ポイントほど届かない

Opus 5.5との差は20ポイントほど。まだ追いついてはいません。ただ、1タスクあたりの費用はHolo4-27Bが1.22ドル、Holo4-35B-A3Bが0.61ドルと公表されていて、安さで勝負する位置づけです。Opus 5.5の1タスクあたりの費用は、確認した資料には載っていませんでした。

業務の自動化を測るAutomationBenchでは、Holo4-27Bが45.4%で1タスク0.05ドル、Holo4-35B-A3Bが34.5%で0.02ドル。

数字はすべてH Company自身の測定です。評価の条件をそろえた第三者の比較ではないので、そのつもりで読む必要がある。ベンチマークの読み方はAIのベンチマークをどう読むかに書きました。

一方で、評価のときにエージェントがたどった操作の記録(トラジェクトリ)を、データセットとしてすべて公開しているのは好感が持てます。点数だけでなく、どう解いたのかを外から確かめられる。

商用で使えるのはどれか

ここがいちばん大事なところです。

いちばん性能の高いHolo4-27Bは、CC BY-NC 4.0。NCは非商用の意味で、仕事の自動化に組み込んだり、サービスとして提供したりする使い方は、このライセンスのままでは認められません。元のQwen3.8-27BはApache 2.0なのに、Holo4-27Bは非商用。モデルカードには両方のライセンスが同梱されている、とあります。

Holo4-35B-A3BはApache 2.0なので、商用でも使える。性能は27Bより落ちます。Holotron4はNVIDIAの独自の契約で、条件は契約書を読んで判断することになります。

ベンチマークの見出しで目立つ85.2%や61.7%は、そのまま商用には持ち込めない数字です。会社で試すなら、先にどのモデルを使うのか、ライセンスを確かめてから。API経由で使う場合は、H Companyの「H Models API」の利用規約が別にかかるはずです。

「オープン」と書かれていても中身はさまざま、という話はオープンウェイトとオープンソースの違いで整理しました。Holo4は、その違いが一つのシリーズの中で起きている例です。

手元で動かす意味

画面を操作するAIは、見ている画面をそのまま相手に送ります。メールの中身、社内システムの顧客情報、請求書。大手のAPIを使えば、それが全部外に出る。

重みが公開されたモデルなら、社内のマシンの中で完結させられます。性能で多少劣っても、画面を外に出さないことのほうが大事な場面は多いはずです。何を外に出してよいかの考え方はAIに個人情報を入れてよいかにまとめています。

必要なGPUの目安は、モデルカードには書かれていませんでした。単純計算では、270億パラメータを4ビットにすると重みだけで約13.5GB。実際に動かすには文脈の分のメモリも上乗せになります。量子化の仕組みは量子化とはで扱いました。

学習のやり方

少しだけ中身にも触れておきます。

H Companyによると、1,270億トークンで教師ありの追加学習をしたあと、強化学習で2つの専門モデルを作り、それを1つに統合したそうです。練習用の課題は「Agentic Task Factory」という社内の仕組みで約1万件を作ったとのこと。

課題を機械で大量に作って、エージェントに解かせて鍛える。この作り方が効いているなら、コンピューター操作のモデルは今後も小さな会社から出てきそうです。大手の独占が崩れるかどうかは、次の版でOpus級に届くかにかかっている気がしています。

AIエージェントの基本はAIエージェントとはで、権限の渡し方はAIに権限を渡しすぎないで書いています。

出典

すべて2026年9月30日に確認したものです。

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