GPT-6.1 Solの料金と性能|Astraの5分の1で何が変わったか

Astraの5分の1 AIニュース

料金表を開いて、最初に目が止まったのはキャッシュの欄でした。GPT-6.1 Solのキャッシュ済み入力は100万トークンあたり0.10ドル。前のGPT-6 Solは0.20ドルだったので、ここだけ半分。

OpenAIは2026年9月29日(日本時間)のDevDayで、GPT-6.1 Solを発表しました。うたい文句は「Astraに迫る性能、価格は5分の1」。公式の発表とAPIの料金ページ、モデルの仕様ページを突き合わせて、何が変わったのかを整理します。

GPT-6.1 Solの料金は据え置き、キャッシュだけ半額

「Astraの5分の1」という言い方は、新しく値下げしたという意味ではありません。標準の入力2ドル・出力10ドルは、先代のGPT-6 Solと同じ単価。GPT-6 Astraが入力10ドル・出力50ドルなので、もともと5分の1でした。

100万トークンあたり GPT-6.1 Sol GPT-6 Sol GPT-6 Astra
入力 2.00ドル 2.00ドル 10.00ドル
キャッシュ済み入力 0.10ドル 0.20ドル 1.00ドル
キャッシュ書き込み 2.50ドル 2.50ドル 12.50ドル
出力 10.00ドル 10.00ドル 50.00ドル
標準(Standard)の単価。2026年9月30日にOpenAIのAPI料金ページとモデル仕様ページで確認

円に直すと、GPT-6.1 Solは入力が約314円、出力が約1,571円。1ドル157.12円で計算しています。

変わったのはキャッシュの割引率。GPT-6 Solは標準の入力単価の10%、GPT-6.1 Solは5%。仕様ページの注記もそのとおりでした。

同じ資料や会話履歴を何度も読ませるエージェントでは、入力の大半がキャッシュに乗ります。そういう使い方ほど、この差がじわじわ効いてくる。逆に、毎回ちがう文章を1回ずつ投げる使い方なら、請求はGPT-6 Solとほとんど変わらないはずです。

272Kを超えると単価が上がる

見落としやすいのがここ。コンテキストは105万トークンまで入りますが、入力が27万2,000トークンを超えたリクエストは、そのリクエスト全体が入力2倍・出力1.5倍の単価で計算される決まり。GPT-6.1 Solなら入力4ドル・出力15ドル。長い資料を丸ごと入れる前に、どこで線をまたぐかは見ておいたほうがいい。

単価の読み方そのものはAIのAPI料金表の読み方で書いたので、ここでは繰り返しません。

どれくらい安くなるのか、1つの例で計算した

単価だけ並べても実感がわかないので、エージェントがよくやる形で試算してみました。1回あたり20万トークンを読ませ、そのうち18万トークンはキャッシュに乗る。出力は4,000トークン。これを10往復させた場合です。キャッシュ書き込みの費用は、話を単純にするため入れていません。

モデル 1往復 10往復 円換算
GPT-6.1 Sol 0.098ドル 0.98ドル 約154円
GPT-6 Sol 0.116ドル 1.16ドル 約182円
GPT-6 Astra 0.580ドル 5.80ドル 約911円
入力20万(うちキャッシュ18万)・出力4,000トークンを10回。標準単価で計算

Astraとの差はおよそ6倍。GPT-6 Solからの乗り換えだと、この条件で15%ほど安くなる計算です。キャッシュの比率が高いほど差は開き、低ければ縮むはずです。

Batch(まとめて後で処理する方式)とFlexは標準の半額で、Fast modeは2倍。急がない処理なら、GPT-6.1 SolをBatchで回すと入力1ドル・出力5ドルまで下がります。

ベンチマークはAstraにどこまで迫ったか

発表に載っている数字を、比べている相手ごとに並べてみます。

評価 何を測るか 発表の内容
DeepSWE v1.1 実際のコードベースでの長いソフトウェア作業 約5分の1のコストでAstraと同等。GPT-6 Solの最高スコアを6.4ポイント上回る
GDP.pdf 表や図の多いPDFを読んで専門的な質問に答える どの推論設定でもOpus 5.5を上回り、タスクあたりコストは半分未満
AutomationBench 1.0.6 47のツールを使う業務ワークフロー 思考量「中」でOpus 5.5を2.2ポイント上回る。コストは約3分の1
OSWorld 2.0 パソコン操作を伴う長いワークフロー 思考量最大でGPT-6 Solを7ポイント上回り、Astraとの差は2.1ポイント
Terminal-Bench Science 0.1 データ分析やシミュレーションなど科学の作業 GPT-6 Solの2倍超。最高はAstraの68.1%
OpenAIの発表(2026年9月29日)より。競合モデルの数字は各社の公開レポートから引用されたもの

いちばん具体的なのは科学分野のタスクあたり費用でした。思考量を最大にしたとき、GPT-6.1 Solが5.47ドル、Opus 5.5が23.21ドル、Astraが23.80ドル。4分の1以下。

事実の誤りも、少しだけ減少。思考量「超高」での事実誤認率は、GPT-6 Solの4.5%から4.1%へ。Astraは4.0%。ただしこれは、過去にユーザーが誤りを指摘した会話から選んだ難しい質問での数字で、ふだんの使い方での誤り率ではないと発表自身が断っています。

気になった点が1つ。AutomationBenchのグラフについて、Claude Fable 5.1のデータ点は「タスクの約40%で発生したフォールバックのコストを含まない」と注記があります。比べ方の条件がモデルごとに揃っていないわけです。コスト比較の数字は、そういうものとして読むのがよさそうです。ベンチマークの順位が条件でどう動くかはAIのベンチマークをどう読むかにまとめています。

総合力ではAstraが上、というのはOpenAI自身もはっきり書いています。最も難しい科学研究のタスクにはAstraを勧める、とも。Astra側の数字はGPT-6 Astraの料金とベンチマークで整理しました。

乗り換えるときに引っかかりそうな仕様

料金より先に、仕様の違いで止まるかもしれません。

GPT-6 Solは推論の強さ(reasoning.effort)に「none」を指定できました。GPT-6.1 Solはlow・medium・high・xhigh・maxの5段階で、noneとminimalは使えません。推論なしで速く返させていた処理を、モデル名だけ書き換えて移すとエラーになるはずです。

ツール呼び出しはResponses APIで使う前提。Chat Completionsでも動きますが、ツール呼び出しはできないとのこと。

項目 GPT-6.1 Sol
モデル名 gpt-6.1-sol
コンテキスト 1,050,000トークン
最大出力 128,000トークン
知識の区切り 2026年4月30日
推論の強さ low / medium(既定) / high / xhigh / max
入力 テキストと画像(音声・動画は非対応)
データの保管地域 米国とEU(EUではFast mode不可)
OpenAI APIのモデル仕様ページより

データの保管地域を指定するエンドポイントは、2026年3月5日以降に出たモデルだと10%上乗せ。日本を指定できるかは、今回見た範囲には書かれていませんでした。

ChatGPTではどこで使える?

Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduのすべてのユーザーが、ChatGPT WorkとCodexで使えます。ふつうのチャット画面(Chat)にはまだ来ていません。ここは発表に明記あり。

Ultrafastについては公式の中で書き方がずれていました。GPT-6.1 Solの発表では「GPT-6.1 Sol Ultrafastも提供開始」とある一方、同じ日のDevDayのまとめでは「近日中に登場予定」。API料金ページのUltrafastの欄にはAstraしか載っておらず、Ultrafastの技術文書でプレビューとして名前が出ているのはGPT-5.6 Solでした。9月30日時点では、GPT-6.1 SolをUltrafastで使えるとは言い切れないと見ています。

コーディングやパソコン操作をエージェントに任せる用途なら、まずGPT-6.1 Solで回し、足りない部分だけAstraに振る。そういう分け方が現実的だと思っています。どの程度足りないかは、結局自分のタスクで比べてみるまで分かりません。

出典

すべて2026年9月30日に確認したものです。円換算は1ドル157.12円(欧州中央銀行の2026年9月29日の参照レート)で計算しました。

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