Claudeのトークンが勝手に消える|情報窃取マルウェアの被害と対処

セッションが盗まれている AIニュース

パソコンの前に座っていないのに、Claudeの利用枠が減っていく。

2026年8月あたりから、こういう報告が相次いでいます。原因が分かりました。Claude側の穴ではありません。利用者のパソコンからログインセッションが盗まれています。

何が起きているのか

Anthropicが利用者に送った警告メールに、こう書かれていました。

一般的な情報窃取マルウェアを使って、人々のパソコンからClaudeのログインセッションを盗み、そのセッションでアカウントにアクセスして利用枠を消費する攻撃者を確認しました

つまり手順はこうです。まず利用者のパソコンがマルウェアに感染する。そこに保存されているログインセッションが抜き取られる。攻撃者はそのセッションを使って本人になりすまし、Claudeを動かす。

被害者の1人のアカウントでは、盗まれたセッションキーからClaude CodeのOAuthトークンが勝手に発行されていました。パスワードを破られたのでもなければ、Anthropicのサーバーが破られたのでもない。手元の端末が起点です。

報告されている被害

公になっている例を並べます。

時期 報告者 症状
2026年8月4日 Grant De Swardt氏(英国のAIコンサルタント) 作業していない時間帯に月の枠の10%が消費された
— Redditの利用者 12分で使用率が0%から49%まで上がった
— Redditの利用者 自動アップグレードの直後、0%から100%まで一気に消費
— GitHubでの報告 自分は何もしていないのに、3日続けて上限まで使い切られた
報道で確認できている事例。実際の件数はこれより多いと見られます

最初に公表したDe Swardt氏が使っていたのは、月200ドルのClaude Max 20xでした。

Anthropicの対応

影響を受けたアカウントを停止し、セッションとトークンを無効化。一部の返金にも応じています。De Swardt氏への返金額は44.49ポンドでした。

ただし本人が求めた「何にどれだけ使われたかの内訳」は提示されていません。防御の方法についても具体的な案内は出ていない、と報じられています。

De Swardt氏が指摘しているのは、そもそも利用者側に「何が枠を消費しているか」を見る手段がないことです。異常に気づいても、中身を確かめられない。

自分でできる確認と対処

ここから先は、Anthropicの案内ではなく一般的なセキュリティ対応として書きます。

まず疑うべき兆候は、使っていない時間帯に使用率が動くこと。朝起きたら枠が減っている、席を外していた1時間で数十パーセント進んでいる。この2つが典型です。

心当たりがあるなら、順番はこうなります。

最初にやるのは全端末からのログアウトです。セッションを盗まれているので、パスワードを変えるだけでは足りません。既存のセッションを無効化する必要があります。あわせてAPIキーとOAuthトークンを作り直す。

次にパソコン側を疑います。感染しているのは端末なので、そこを片づけないと同じことが繰り返されます。心当たりのないアプリ、最近入れたブラウザ拡張、出所のはっきりしないCLIツール。この3つは特に確認したほうがいい。

そのうえで二要素認証を有効にしておく。セッション窃取そのものは二要素認証をすり抜けますが、盗まれたセッションが切れたあと攻撃者が入り直すのを止められます。

日常の備えとしては、認証情報を平文のファイルに置かないこと。設定ファイルや .env にキーを直接書いて放置している人は多いはずです。情報窃取マルウェアが真っ先に探すのはそこです。

この件が示していること

AIサービスの利用枠は、いまや現金に近い価値を持っています。月200ドルの枠が丸ごと使われれば、それは200ドルの被害です。

そして攻撃者にとって、AIの利用枠は換金しやすい。盗んだセッションで自分の作業を回すこともできれば、他人に貸すこともできる。狙われる理由があります。

クレジットカードなら明細が見られます。AIサービスの多くは、そこがまだ整っていません。使用量の内訳を出す機能は、今後どのサービスにも求められるようになるはずです。

出典

2026年9月9日に確認しました。Anthropicの警告メールの文面と被害の事例は、TechCrunchの報道によるものです。対処の手順は一般的なセキュリティ対応として書いており、Anthropicが案内しているものではありません。

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