社内FAQをAIで作る|同じ質問を減らす仕組み

同じ質問を減らす 社内での導入と運用

同じ質問が毎月来るなら、答える人の時間が消えています。

過去のやりとりから案内を作る手順と、続けるための運用を見ます。

材料は既にある

新しく書き起こす必要はありません。

チャットの履歴、メールのやりとり、問い合わせの記録。答えは全部そこにあります。散らばっていて探せないだけです。

過去半年ぶんを渡して「繰り返し出ている質問を頻度順に」と頼む。上位20件が、たいてい全体の大半を占めます。

この一覧を見た時点で、既に価値があります。何に時間を取られていたかが数字で見える。

作る順番

順 やること 担当
1 過去のやりとりを集める 自分
2 質問を分類し頻度順に並べる AI
3 上位から回答の下書きを作る AI
4 内容が正しいか確かめる 担当部署
5 置き場所を決めて公開する 自分
4を飛ばさないこと。間違った案内は無いよりたちが悪い

4段階目が要点です。過去のやりとりには、その時点では正しかったが今は違う回答も混ざっています。日付を見て、古いものは確認に回す。

書き方を揃える

読まれる案内には型があります。

結論を最初に書く。手順は番号を振る。例外は最後にまとめる。この形を指定して作らせると、全項目が同じ構造になります。

長さも決めたい。1件200字以内に収めると、探して読むのが苦になりません。それを超えるなら、別の文書へのリンクにする。

質問文は、聞く人の言葉で書く。正式な制度名より「有給って何日前までに出すの」のほうが検索に引っかかります。

置き場所で決まる

よくできた案内でも、探せなければ使われません。

聞く人が最初に開く場所に置くこと。社内チャットで質問が来ているなら、チャットから引ける形にする。別のシステムに置いても見に行きません。

質問が来たときに、答える代わりにリンクを返す運用を続けると、次第に定着します。答えてしまうと、案内の存在が知られないままです。

検索で引けるようにする

項目が増えると、一覧では追えなくなります。

文書を検索して答えを返す仕組みを載せると、自然な言葉で聞けるようになる。表記が揺れていても、意味が近ければ拾えます。

このとき、根拠になった項目へのリンクを一緒に出す設計にしておきたい。要約だけ返す形だと、正しいかを確かめられません。

答えが1つに決まらない質問

全部が案内にできるわけではありません。

「この経費は落ちますか」のように、条件で答えが変わる質問があります。無理に一律の回答を書くと、例外に当たった人が困る。

こうした項目は、判断の分かれ目だけ書いて、あとは相談先を案内する形にしたい。「金額が3万円を超えるかどうかで扱いが変わります。詳しくは経理へ」で足ります。

無理に網羅しようとすると、読まれない長文になります。

古くならない仕組み

作った直後がいちばん正確で、あとは劣化していきます。

各項目に、最終確認日と担当部署を書いておく。半年たったものを自動で洗い出し、確認を依頼する。これだけで腐りにくくなります。

制度が変わったときに直す担当も決めておきたい。決まっていないと、誰も直しません。

誰が作るか

質問を受けている本人が作るのが、いちばん速い。

何を聞かれているかを知っているからです。総務や情報システムの担当が、自分の手元の履歴から始めるのが現実的でしょう。

全社的な整備を待つ必要はありません。1部署ぶんの上位20件でも、効果は出る。うまくいった形を横に広げるほうが続きます。

入れてよい情報

過去のやりとりには、個人の事情が混ざります。

休職の相談、評価への不満、特定の社員に関する話。分類にかける前に、こうした内容を落とす工程が要ります。

氏名を機械的に伏せるだけでは足りない場面もある。読めば誰か分かる内容は、人が判断して外すしかありません。

チャットの履歴をまるごと外部サービスに渡す形も、契約次第では引っかかります。対象の範囲と期間を絞り、必要なぶんだけ抜き出して渡すほうが安全です。

質問が来なくなったら

うまくいくと、問い合わせ自体が減ります。

そのとき困るのが、現場で何が起きているか見えなくなること。質問は、制度の分かりにくさを教えてくれる信号でもありました。

検索された語の記録を残しておくと、この穴を埋められます。何を調べに来たかが分かれば、次に直すべき制度や文書が見えてくる。

答えが見つからなかった検索は、特に価値があります。まだ言葉になっていない困りごとがそこにある。

出典

検索して答えを返す仕組みと、扱う情報の注意点は下記に基づきます。

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