プロンプトを保存して使い回す|毎回書かないための整理

書き直さない仕組み 指示の書き方

同じような指示を毎回ゼロから書く。これが続かない原因のひとつです。

着手までの手数が多いと、そのうち省かれます。残して使い回す形にすると、そこが解決します。

残す価値がある指示

全部を保存する必要はありません。条件は2つです。

繰り返し発生する作業であること。月に1度しか使わないものは、探す手間のほうが大きくなります。

そして、結果に満足したこと。うまくいかなかった指示を残しても、次も同じ結果になります。

中身を4つに分ける

部分 中身
前提 誰向けか、何のための作業か
やること 処理の内容
出力の形 字数、書式、項目
禁止 やってほしくないこと
この順に並べておくと、使い回すとき直す場所が分かる

4番目は忘れられがちですが、効きます。「資料に書かれていないことは書かない」「前置きとあいさつは不要」「原文の表現をそのまま残す」。この種の一文が、手直しの量を減らします。

名前の付け方

数が増えると、探すのに時間がかかるようになります。

名前は用途で付けます。「要約用」ではなく「議事録から決定事項を抜く」。具体的なほうが、後から見て中身が分かる。

同じ作業でも相手が違えば別の指示になります。「取引先向けの返信」と「社内向けの返信」は分けておく。統合すると条件が増えて、どちらにも合わないものになります。

置き場所

凝った仕組みは要りません。すぐ開けて、すぐ貼れる場所であればよい。

テキストファイル1枚に並べておくだけでも足ります。使う頻度の高い順に並べておくと、探す時間が減る。

保存する機能が用意されているサービスもあります。使えるなら使ったほうが手数は少ない。ただしサービスを乗り換えると持ち出せないことがあるので、手元にも控えを置いておくと安心です。

育てる

最初から完成させようとしないほうがよい。

使ってみて、直した箇所があれば、その内容を指示に1行足す。「表題は付けないで」と毎回言っているなら、それを書き加える。

数週間続けると、その作業専用のものになります。他人が読んでも意味が分からないくらい具体的になるのが、育った状態です。

逆に、汎用的で誰にでも使えそうな指示は、たいてい効きません。

長くしすぎない

足し続けると、指示そのものが膨らみます。

入力が長くなれば費用が増え、そのうち矛盾する記述も混ざってきます。ときどき読み返して、効いていない行を削る。

効いているかどうかは、その1行を外して同じ入力を流せば分かります。結果が変わらなければ、その行は要りません。

似た指示をまとめない

複数の作業をひとつの指示でこなそうとすると、たいてい精度が落ちます。

「要約して、翻訳して、体裁を整えて」を1回で頼むより、3回に分けるほうが結果は安定する。どこで狂ったかも分かります。

指示は用途ごとに分けて持っておく。似ているからといって統合すると、条件が増えて矛盾しやすくなります。

数が増えるのを恐れなくてよい。使う頻度の高いものが自然と上位に来るので、探すのに困ることはありません。

共有する

社内で使うなら、指示そのものを配るのが早い。

機能の説明より、「この文をコピーして、資料を貼るだけ」という形のほうが試してもらえます。相手が考えなくてよいからです。

なぜその指示なのかも一言添えておくと、応用が利きます。理由が分かれば、自分の業務に合わせて変えられる。

入れてはいけないもの

指示文の中に、認証情報や機密の数字を書き込まないこと。

共有した瞬間に、そこに書いた社内の事情まで一緒に渡ります。プロンプトを他人に見せる場面は増えているので、貼る前に読み返す習慣を持っておくと安心です。

その文面がそのまま公開されても困らないか。これが判断の目安になります。

モデルが変わったら見直す

育てた指示も、永久には使えません。

モデルが更新されると、以前は必要だった指定が不要になっていることがあります。「順番に考えて」と書き足していたのが、いまは最初からやっている、といった変化です。

逆に、以前は効いていた書き方が効かなくなることもある。挙動の癖に依存した工夫は、その癖が消えれば無効になります。

半年に一度、主要な指示だけでも読み返してみる。短くできる行が見つかります。

最初の1つから始める

体系立てて整理しようとすると、着手しないまま終わります。

今日うまくいった指示を1つ、テキストファイルに貼る。それだけで始まります。

数が増えてから並べ替えればよい。整理の仕組みを先に作る必要はありません。

出典

指示に機密情報を置かない理由については、下記の資料が背景を示しています。

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