AI動画のクレジットは何に消えているのか|3か月分の請求記録を全部見たら、単価が8倍動いていた

クレジットは何に消えているのか 費用と料金

9月4日の夜、クレジットが補充されたときの明細に見慣れない行が1つ。

「Subscription Credits Reset −92.54」

残っていた92.54クレジットが、そのまま消えている。額としては大きくありません。ただ、毎月これが起きているなら年間で1,100近くを捨てている計算になります。

気になって請求履歴を3か月ぶん、1件ずつさかのぼってみた。結果として分かったのは、AI動画のコストがほとんど把握されていなかったこと。単価が8倍に動いていた日もある。

以下は、実際に稼働しているアカウントの請求記録から分かったことです。

繰り越しはなかった

明細にはこう並ぶ。

日時(UTC) 内容 クレジット
2026-09-04 22:00:27 Subscription Credits Reset −92.54
2026-09-04 22:00:27 Subscription Credits +1,200

同じ秒に、残高を消してから1,200を配っている。月初の残高は必ず1,200で、前月分は乗りません。

仕組みとしては珍しくありません。ただ「今月は余ったから来月に回せる」という思い込みは起きやすい。月末に余りそうなら使い切ったほうがいい、というだけの話です。

同じモデルなのに、7月と8月で3.1倍

同じKling v3.0が、7月は1本12クレジット、8月14日には37.5クレジットになっていた。
同じKling v3.0が、7月は1本12クレジット、8月14日には37.5クレジットになっていた。

7月21日から23日にかけて Kling v3.0 で動画を作ったときの請求は、1本あたり12クレジットでした。同じ値が何本も並んでいるので、たまたまではありません。

8月14日の記録では、同じ Kling v3.0 が1本37.5になっています。3本連続で37.5。

3.1倍です。理由は分かりません。解像度や尺の設定が違った可能性は十分あります。ただ請求履歴に残るのはモデル名と金額と時刻だけで、生成条件までは記録されないので、後から確かめる手段がありませんでした。

追えないこと自体が困ります。「なぜこの金額になったのか」を検証できない作りになっているので。

17分で8倍になった日

7月25日の請求記録。04:54までは0.5、05:11には4になっていた。
7月25日の請求記録。04:54までは0.5、05:11には4になっていた。

7月25日、画像を一括生成した日の記録。手元の手順書には「1枚0.5クレジット」と書いてあります。実際、02:48から04:54までの記録はすべて0.5です。31件。

次の記録が05:11:39で、4クレジット。そこから07:11まで、32件すべてが4でした。間に返金が1件だけ入っています。

この日1日で消えたのは124クレジット。事前に見積もっていたのは26でした。月に配られる1,200を使い切り、作業はそこで停止。

問題はその後です。この作業の記録には「28クレジット使用、許可額の範囲内」と残っていました。実際は124。4倍以上ずれた数字が、しばらくそのまま信じられていたことになります。

原因は単純で、手順書に書いてある単価を実際の請求と突き合わせていなかったからです。見積もりをそのまま実績として扱っていた。それだけでした。

画像1枚0.12、動画1本75

同じモデル・同じアカウントで、1枚あたりの請求額が4→0.5→4→1→0.75と動いた。
同じモデル・同じアカウントで、1枚あたりの請求額が4→0.5→4→1→0.75と動いた。

画像生成の単価は、3か月のあいだに4回動いている。

日付 GPT Image 2.0 / 1枚
2026年7月24日 4
2026年7月25日 未明 0.5
2026年7月25日 早朝以降 4
2026年8月13日 1
2026年9月2日 0.75

最も高いときと安いときで8倍。同じアカウント、同じモデル名です。下がる方向に動いているのは歓迎すべきことですが、「1枚いくら」を前提に作業計画を立てるとどこかで外します。

そして動画は桁が違う。Higgsfield Soul V2 の画像が1枚0.12、Seedance 2.5 の動画が1本で最大75。画像625枚ぶんが、動画1本と同じ値段です。

この差を知れば、画像の段階では回数を気にせず試せる。動画の生成だけ慎重にやればいい。逆に言えば、7月25日に画像でクレジットを使い切ったのは、本来なら動画に回せた枠を溶かしていたということでもあります。

「Unlimited」と書いてあるほうは0だった

8月13日から14日にかけての記録に、「Kling 3 Unlimited」が40件以上並んでいます。すべて0クレジット。

同じ8月14日に、「Kling v3.0」のほうは1本37.5で記録されています。同じ日、同じKlingで、片方は0、片方は37.5。

どのメニューから生成するかだけで、支払いがここまで変わります。気づかず高いほうを使い続けていたら、と考えるとぞっとする話だ。

同じ秒に、5種類の値段が並ぶ

いちばん困ったのが Seedance 2.5 です。

日時(UTC) クレジット
9月2日 07:23 12.5
9月2日 07:26 52
9月2日 09:37 75
9月3日 15:21〜15:24 17.5 / 20(7本)
9月4日 02:34 15 / 20 / 25 / 30 / 35

最安12.5、最高75で6倍の幅。9月4日の02:34にいたっては、同じ1秒のあいだに5種類の金額が並んでいます。まとめて投げた生成が、それぞれ違う値段で返ってきたということでしょう。おそらく尺や解像度の差だと思いますが、これも確かめようがありませんでした。

実務で困るのはここです。「動画を10本作ります」という計画から予算が出せない。125クレジットで済むかもしれないし、750かかるかもしれない。配られるのは1,200なので、後者なら2日で尽きます。

音声を甘く見ていた

Voiceover が1回0.15〜1.05、Seed Audio 1.0 が0.2〜4.7。1回あたりは小さく見えます。

ただ音声は本数が出ます。ある1日だけで Voiceover が11回、Seed Audio が9回。合わせると15クレジット近く。画像1枚が0.12であることを考えると、ナレーションの撮り直しは画像より高くつきます。

3か月分の単価(2026年9月時点)

モデル 1回あたり 備考
Kling 3 Unlimited 0 無制限枠
Higgsfield Soul V2 / Soul Cinematic 0.12 画像
Kling O1 Image 0.5 画像
GPT Image 2.0 0.75 画像・変動あり
FLUX.2 Pro 1.5 画像
Nano Banana Pro 2 画像
Voiceover 0.15〜1.05 音声
Seed Audio 1.0 0.2〜4.7 音声
Kling v3.0 12 / 37.5 動画・時期で3.1倍
Seedance 2.5 12.5〜75 動画・6倍の幅

断っておくと、これは私1人のアカウントの記録です。プランや契約時期で単価が違う可能性は十分あります。金額そのものより、「請求履歴を見ないと実際のコストは分からない」という部分を持ち帰ってもらえたらと思います。

履歴はどこで見るか

当月分は管理画面から確認できます。困ったのは過去月で、画面上ではうまく辿れませんでした。

結局、APIから引くことになった。transactions というエンドポイントが新しい順にページを返してくるので、カーソルをずらしながら遡ります。日付での絞り込みはできないので、目当ての月まで力技で進むことになります。3か月ぶんで600件ほどでした。

返ってくるのは、表示名・増減したクレジット・種別(spend / refund / grant / deduct)・日時の4つだけです。生成に使ったパラメータは入っていません。だから「なぜこの金額か」を後から説明することはできない。この記事で何度も「理由は分からない」と書いているのは、そういう事情です。

逆に言えば、この4項目だけでも見る価値はあります。3か月間まったく気づかれていなかったことが、全部ここに書いてある。

で、どうしているか

3か月分を見返した結論として、一括処理をかけるときは数枚だけ先に実行し、請求額を確認してから残りを回したい。面倒ですが、7月25日のようなことがまた起きるよりはましです。

手順書も、過去の自分のメモも、実際の請求と一致しないことがある。信用できるのは履歴だけだと分かったので、資料に書いてある単価はもう当てにしていません。

とはいえ、毎回これをやるのは正直しんどいです。制作に集中したいのに会計をやっている時間が増える。本数が出るなら追う側に倒すことになりますが、週に1本なら細かく追わず月額の上限だけ決めて割り切るほうが健全かもしれません。そこは作る量次第だと思っています。

ひとつだけ確実なのは、単価が変わっても通知は来ないということです。7月25日の変更も8月のKlingの変更も、気づいたのは後から履歴を見たとき。

出典

この記事の数字は、すべて実アカウントの請求履歴(transactions API)から取得したもの。2026年6月〜9月分、2026年9月7日に確認しています。加工はしていません。単価が変わった理由、生成時の解像度や尺の設定、プランによる違いは履歴から追えなかったため、推測では書いていません。

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