定型のメールは任せられます。
ただし関係が変わる内容は、文面より判断のほうが重い。線の引き方を見ていきます。
任せやすいもの
| 種類 | 任せるか |
|---|---|
| 日程調整・出欠の返信 | 任せる |
| 資料送付の添え状 | 任せる |
| お礼・挨拶 | 任せる |
| 長い文面の要約 | 任せる |
| 断り・値上げの通知 | 下書きまで |
| 謝罪 | 自分で書く |
| 採用の不採用通知 | 自分で書く |
上の4つは、書く内容が決まっていて、迷う要素がありません。形が整っていればそれでよい種類です。
謝罪を任せない理由
整った文面が、かえって逆効果になるからです。
謝罪のメールで相手が見ているのは、何をどこまで把握しているか、次に何をするか。この2つです。文章のうまさではありません。
生成された文面は、当たり障りのない表現に寄ります。読めば分かる。「テンプレートで済まされた」と受け取られると、事態が悪化します。
下書きとして構成だけ出させるのは有効です。何を書くべきかの漏れは防げる。ただし文言は自分の言葉に置き換えたい。
頼み方
材料を渡さないと、当たり障りのない文しか出てきません。
相手との関係、経緯、伝えたい要点、避けたい表現。この4つを箇条書きで渡すと、使える下書きになります。
長さも指定したい。放っておくと丁寧すぎる長文になる。「本文は200字程度」と書いておくと収まります。
相手の立場も一言添える。「初めて連絡する相手」「10年来の取引先」で、適切な距離が変わります。
受信したメールに使う
書くより、読むほうで効く場面があります。
長いメールを渡して「相手が求めていることと、期限を抜き出して」と頼む。何往復もしたやりとりなら、「決まったことと、未決のこと」に分けさせる。
英語のメールなら、なおさら効きます。訳させるだけでなく、口調の強さも聞いておきたい。丁寧に見えて実は催促、という文面を見落とさずに済みます。
下訳として使う
書く速度が上がるのは、白紙から始めずに済むからです。
要点だけ箇条書きで打ち込み、形にしてもらう。返ってきた文を直す作業は、ゼロから書くより速い。特に書き出しで手が止まる人には効きます。
ただし直さずに送ると、次第に自分で書けなくなります。直す工程を省かないことが、この使い方の条件です。
送る前に見る
出てきた文面には、事実が混ざっていることがあります。
日程、金額、担当者名。こちらが渡していない情報が、それらしく補われている場合がある。数字と固有名詞は必ず見てください。
約束の表現にも注意したい。「対応いたします」「ご用意できます」と書かれていても、実際にできるかは別の話です。
入力してよいか
メールには、たいてい相手の名前とやりとりの中身が入っています。
秘密保持の約束がある取引なら、そのまま貼るのは避けたい。社名を伏せ、金額を丸めても、下書きの精度はほとんど落ちません。
メールソフトと連携させる形は便利ですが、渡す範囲が広くなります。どこまで参照されるかを確かめてから使いたい。
件名と最初の3行
読まれるかどうかは、ここで決まります。
本文を渡して「件名の案を5つ」と頼むと、自分では思いつかない切り口が出てくる。用件が一目で分かるものを選べば足ります。
最初の3行も同じ。何の用件で、相手に何をしてほしいのか。ここが曖昧なメールは、後回しにされます。
「結論を最初の3行に置いて」と指定するだけで、構成が変わります。
自分の文体を残す
全部を任せると、誰が書いても同じ文面になります。
取引先には、その人らしさが伝わっている。急に文体が変わると、気づかれます。
過去に自分が書いたメールを数通渡して、「この書き方に寄せて」と頼む手があります。挨拶の言い回しや改行の癖が揃うだけでも、印象が変わる。
渡す見本は、うまく書けたものを選んでください。平均的な文を渡せば、平均的な文が返ってきます。
見本は一度作れば使い回せます。よく書く3種類ぶん用意しておくと、毎回の指示が短くて済みます。
返信しないという選択
速く書けるようになると、返信の量が増えます。
全部に丁寧な返事を出せるので、そうしてしまう。ただ、相手からすれば受信が増えるだけの場合もある。
「了解しました」だけで済む用件に、5行の返信は要りません。相手の受信箱を埋めるだけです。書くのが楽になったぶん、送る量を自分で抑える判断が必要になります。
出典
事実の補完が起きる理由と、入力時の注意点は下記に基づきます。

